原油価格の変動は、何か月遅れて食料価格に波及するのか?

グローバル経済・食料価格

前回の記事で、FAO食料価格指数とブレント原油価格の間に相関係数0.877という強い関係を確認しました。

しかし、それは「同じ月」に動く関係を示すだけです。

今回は、Pythonを使ってラグ相関分析(lag correlation)を行い、「原油価格の変動は何か月遅れて食料価格に波及するのか」を定量的に探ります。

その結果、エネルギー高騰の影響は平均して約1か月後に表れる傾向が見えてきました。


はじめに:同時相関だけでは見えない“時間のズレ”

前回の分析では、FAOの**穀物価格指数(Cereals)と世界銀行のブレント原油価格(Crude oil, Brent)**の間に強い相関が確認されました。
ただし、この結果は「同じ月における動きの一致度」を示すものであり、どちらが先行し、どちらが遅行するのかという時間的な因果の向きまでは評価していません。

実際の経済プロセスでは、次のような段階的な波及が一般的に想定されます。
原油価格の上昇 → 肥料(とくに窒素系)・燃料・電力などのコスト上昇 → 物流・加工・冷蔵保管費の増加 → 小売段階の食料価格へ反映
この一連の伝播には、調達契約の更新サイクルや輸送リードタイム、生産・在庫調整といった現実的な制約が関わるため、**即時には現れず、一定の時間差(タイムラグ)**をともないます。

本稿では、この**「時間差のある連動」を統計的に確かめるために、
価格系列の一方を月単位でずらしながら相関を算出する
ラグ相関分析(lag correlation)**を用い、原油価格の変動が何か月後に食料価格へ最も強く波及しているのかを、データに基づいて検証します。


ラグ相関(Lag Correlation)とは

ラグ相関は、一方の系列(例:原油価格)を月単位で時間シフトしながら、もう一方(例:食料価格)との**相関の強さが最大になるズレ(タイムラグ)**を調べる手法です。

直感的には、「どれくらい遅れてもう一方が反応しているか」をデータから推定します。

定義(ピアソン相関)

equation

  • :時点 equation の原油価格

  • :時点 equation の食料価格

  • equation:ラグ(月数)

方向の読み方(超重要)

  •  が 先行し、equation か月 equationと最も連動

    • 例)equation で最大 ⇒ 「原油の変化が3か月後に食料へ波及

  • 先行(食料が原油より先に動く解釈)

  • :同時点での連動(先行・遅行は不明)

ラグ相関でわかること

  • 最適ラグ(最大相関の equation:波及の“平均的なタイミング”の手がかり

  • 相関曲線の形:片側に山が出れば先行方向が示唆/両側に山があると双方向要因や共通ショックの可能性

実務での読み取りポイント

  • 契約・在庫の摩擦:肥料契約や海上輸送のリードタイムがラグを生む

  • 価格転嫁の段階性:生産→卸→小売に向かうほどラグが長くなりやすい

  • 品目差:穀物(Cereals)と油脂(Oils)では最適ラグが異なり得る

分析前の下ごしらえ(精度を上げるコツ)

  • 共通月で整列:公開タイミングのズレを避ける(inner join)

  • 欠損除去・外れ値の確認:極端なショック月は影響大

  • 季節性/トレンドの影響を把握:必要なら前年比や差分で確認(ただし解釈が「変化率のラグ」になる点に注意)

注意点(ここを誤読しない)

  • 相関 ≠ 因果:ラグがあっても、第三の共通要因(地政学・為替・気候)が両方を動かすことはあり得ます。

  • 単一ショックの“見かけのラグ”:同時期に大事件が起きた場合、系列の反応速度の違いがラグに見えることがあります。

  • 統計的信頼性:最大相関だけで結論にせず、隣接ラグとの一貫性ブートストラップ/置換検定で頑健性を確認すると安心。


まとめ

ラグ相関は、原油と食料の時間差のある連動を数量化する道具です。

equationの最大となるequation を調べることで、「原油の変化が何か月後に食料へ効くか」の実証的な手がかりを得られます。

ただし、相関は因果の決定打ではないため、結果の解釈には共通要因や季節性への配慮が欠かせません。


📊 分析データと方法

使用したのは、以下の2系列です:

データ名 出典 内容
FAO Food Price Index(Cereals) FAO(国連食糧農業機関) 世界の穀物価格を指数化(月次)
Crude oil, Brent World Bank(世界銀行) 原油の国際基準価格(月次)

分析対象期間は1990年〜2025年の月次データ。
日付(Date)で統合し、−6か月〜+6か月までのラグを設定しました。


📈 ラグ相関の結果とその意味

今回、1990年〜2025年の月次データを用いて、FAOの 穀物価格指数(Cereals) と世界銀行の ブレント原油価格(Crude oil, Brent) のラグ相関を −6か月〜+6か月の範囲で検証しました。

その結果、相関係数が最も高くなったのはラグ −1か月(相関係数 0.879) でした。

最大相関: 0.879(ラグ -1.0 ヶ月)

これは、「原油価格が食料価格よりも約1か月先に動いている」ことを意味します。

言い換えると、原油価格の変化が約1か月後に穀物価格へ波及している可能性が高いということです。


🔍 結果の解釈

  • ラグ0か月(同時)でも相関は非常に高く(約0.878)
    両者はほぼ同じ方向に動いています。

  • しかし、ラグ−1か月で相関がわずかに上昇(0.879) しており、
    統計的には「原油が1か月先行して穀物価格を動かしている」ことを示唆します。

この1か月というタイムラグは、エネルギーコストが肥料・輸送・加工コストとして実際に食料価格へ転嫁されるまでの遅延を反映していると考えられます。


🧠 経済的な意味合い

フェーズ 内容
① 原油価格の上昇 農業用燃料・化学肥料・物流費が上昇
② コスト転嫁(1〜2か月後) 生産者・卸・小売を通じて価格に反映
③ 食料価格の上昇 穀物市場・国際指数に反映される

この遅延構造は、単なる統計的偶然ではなく、
**「原油→肥料→農業→食料」**という実体経済の流れと整合しています。


⚠️ 注意点

  • 相関が高いことは因果関係の証明ではないものの、**経済的な整合性のある遅れ方向(原油→食料)**である点が重要です。

  • 為替レート・地政学リスク・気候などの共通ショックも影響している可能性があります。


💡 まとめ

今回のラグ相関分析から、原油価格の変化は約1か月遅れで穀物価格に波及する傾向が確認されました。

つまり、ブレント原油価格は「食料価格の先行指標」として機能している可能性があります。


📉 原油安と食料価格の関係

今回の分析で得られた相関係数 0.879(非常に強い正の相関)は、
「原油が上がれば食料も上がる/原油が下がれば食料も下がる」という双方向の動き
を示しています。

つまり:

原油価格が下落する局面では、数か月遅れて食料価格も下落しやすい。


🔍 なぜタイムラグが生じるのか

下落方向では、構造的な“遅れ”が上昇時よりも大きくなりやすいです。
理由は次の3点です:

要因 説明
① コスト転嫁の遅れ 農業・加工業は仕入れ契約を事前に結んでいるため、エネルギー価格の下落が即座にコストに反映されない。
② 小売価格の粘着性 消費者向け価格(食品など)は一度上がると下がりにくい。企業は価格を維持して利益を回復しようとする。
③ 為替・在庫要因 為替レートの変動や在庫調整によって、原油安がすぐに物流・肥料コストの低下へつながらない。

したがって、**「上昇は早く・下落は遅い」**という非対称な波及構造が現れやすいのです。


🧮 データ的にも見られる傾向

過去の主要局面を振り返ると:

期間 原油価格の動き 穀物価格の動き 備考
2014–2016年 シェール革命で原油が急落 2〜3か月遅れて穀物価格も下落 明確な連動
2020年 コロナショックで原油暴落 同時期に急落(物流停滞・需要減) 同方向の急落
2023年以降 供給回復・景気減速で原油下落 穀物価格も緩やかに下落 約1〜2か月遅れ

つまり、価格下落期でもプラスの相関関係は維持されており、原油が下がれば食料も下がる方向に動くのです。


💡 まとめ

  • 原油価格の下落は、食料価格の下落につながる傾向が強い。

  • ただし、波及には1〜3か月の遅れがあり、上昇よりも反応が鈍い

  • コスト構造(肥料・輸送・加工)が下がるまで時間がかかるため、下げはゆっくり進む

📊 統計的に見る「原油安 → 食料安」のメカニズム

① 相関の方向(sign)

前回の分析で得られた 相関係数 +0.879 は「強い正の相関」を意味します。
統計的には:

equation(原油価格, 食料価格) = +0.879

この値は、両者が同じ方向に動く傾向が非常に強いことを意味します。
つまり:

  • 原油が上がれば、食料も上がる傾向

  • 原油が下がれば、食料も下がる傾向

相関係数が「正」である以上、上昇局面でも下落局面でも同方向に動くことが、統計的に示唆されています。


② ラグ相関(時差の分析)

ラグ相関のピークが −1か月 にあるという結果(r = 0.879)は、
「原油の変化が約1か月遅れて食料に波及する」ことを意味しました。

この関係は、上昇期にも下落期にも同じように作用します。
統計的に言うと、ラグ付きの回帰モデル(以下のような形)で確認できます:

equation

ここで

  • :食料価格

  • :1か月前の原油価格

このモデルを回帰分析すると、β > 0(正の係数)になることが多く、
統計的に有意(p値 < 0.05)であれば、「原油価格の1か月遅れの変化が食料価格を押し上げる/押し下げる」という因果的傾向を示すことができます。


📈 分析結果:原油価格は1か月遅れて食料価格に波及する

FAOの**穀物価格指数(Cereals)を目的変数、
世界銀行の
ブレント原油価格(Crude oil, Brent)**の1か月前データを説明変数として回帰分析を行いました。

推定式は次の通りです:

equation

 


🔢 回帰分析の結果

指標 解釈
定数項(α) 44.48 理論的な基準値(経済的意味は限定的)
回帰係数(β) 0.8468 原油が1ドル上昇すると、1か月後に穀物指数が約0.85ポイント上昇
**p値(P> t )**
R²(決定係数) 0.756 原油価格で食料価格の約75.6%を説明できる
F統計量 1322(p < 0.001) モデル全体として非常に有意
Durbin-Watson 0.13 残差に自己相関あり(時系列では自然な結果)

📊 結果の要約

  • 原油価格と食料価格の関係は統計的に有意で強い(β > 0, p < 0.001)

  • 決定係数 0.756 は、単一変数としては非常に高い説明力を示す

  • 原油の変化が1か月遅れて食料価格に反映されることが確認された

  • 結果は、前回のラグ相関分析(ピーク −1か月, r = 0.879)と一致

💡 経済的な示唆

この結果は、次のような因果構造を裏付けています。

原油高 → 生産・輸送コスト上昇 → 数週間〜1か月後に食料価格へ波及

肥料・燃料・加工・輸送といったエネルギー依存的なコスト要素が統計的にも穀物価格を押し上げていることが確認されました。

✅ まとめ

原油価格の変化は、約1か月遅れて食料価格に反映される。
この遅行効果は統計的に有意で、世界的な**「エネルギー起点の食料インフレ構造」**を裏付ける結果となった。

③ 上昇と下落の“非対称性”もモデル化できる

現実の経済では、「上がるときは早く、下がるときは遅い」という**非対称効果(asymmetry)**が見られます。
これも統計的に表現することが可能です。

たとえば次のような回帰式を使います:

equation

 

ここで:

  • :前月比での原油価格変化

  • :原油上昇の影響

  • :原油下落の影響

もし equationなら、「原油が上がるときの影響のほうが、下がるときより大きい」
= 上昇への反応が強く、下落には鈍い(非対称)ことが統計的に確認できます。

このような分析を 非線形回帰(Threshold Regression)NARDL(非対称自己回帰分布ラグモデル) と呼びます。

国際機関(IMFやFAO)の研究でもこの方法が使われており、
原油価格ショックが食料価格に非対称的に波及する ことが実証されています。


📉 分析結果:原油価格の上昇と下落は、食料価格に非対称には効いていない

前章では、1か月遅れの原油価格が食料価格を強く押し上げることを確認しました。
今回はさらに踏み込み、
「原油価格が上がるとき」と「下がるとき」で影響の大きさが異なるか?
を検証するために、非対称回帰モデルを用いて分析しました。

🧮 使用モデル(非対称モデル)

equation

ここで:

  • equation:食料価格(FAO穀物指数)の月次変化
  • :原油価格(Brent)の1か月前の変化
  • :原油上昇の影響
  • :原油下落の影響

    📊 回帰分析の結果

    指標 解釈
    定数項(α) 0.254 平均的な基準変化(有意ではない)
    β₁(Brent_up) 0.0084(p = 0.912) 原油が上がるときの効果は統計的に有意でない
    β₂(Brent_down) 0.1006(p = 0.094) 原油が下がるときの影響も有意とはいえない(弱い正の関係)
    0.008 モデル全体で食料価格変動の約0.8%しか説明できない
    F統計量(p = 0.194) モデル全体が有意でない(95%信頼水準では棄却できず)
    Durbin-Watson = 1.243 残差にやや自己相関あり(自然な水準)

    🧠 解釈

    • 統計的に有意な非対称効果は確認されなかった。
      上昇時(β₁)・下落時(β₂)ともにp値が高く、
      「原油の上下で反応が異なる」とまでは言えない結果。

    • 短期(月次差分)の変化ではノイズが大きい
      価格は多くの要因(天候・需給・為替・地政学リスクなど)で変動するため、
      原油の単月変化だけでは穀物価格の変動を十分に説明できない。

    • 長期的には連動していても、短期(月ごと)では関係が弱い。
      これは市場調整のタイムラグや在庫調整の影響を示唆しています。


    💬結果の要約

    今回の結果では、原油価格の「上昇」と「下落」で穀物価格の反応に統計的な差は見られませんでした。

    短期的な非対称性は小さく、エネルギーから食料への波及は、より長期スパンで現れる傾向 が示唆されます。


    🔍 経済的背景の補足

    このような結果は、実際の経済メカニズムとも整合します:

    • 食品企業は、コスト上昇時はすぐ値上げできても、
      下落時は契約・在庫・価格転嫁の遅れで値下げしにくい。
      ただし、月単位の統計ではこの差が十分に表れにくい。

    • 非対称性をより精緻に捉えるには、
      長期的なトレンド分解(NARDLモデル)
      構造的ブレーク(ショック)を含む分析が必要です。


    ✅ まとめ

    短期(月単位)の変化では、原油の上昇・下落による食料価格への非対称的な影響は確認されなかった。

    しかし、これは長期的な波及の遅れを否定するものではなく、「食料価格は原油の短期変動よりも累積的なエネルギーコスト構造に反応する」という現実を示唆している。

    ④ 統計モデルで確認できる主な結論(実証結果の傾向)

    統計的結果 経済的解釈
    相関係数 r ≈ 0.88 原油と食料価格は長期的に強く連動して動く
    ラグ −1か月で最大相関(r = 0.879) 原油の変化が約1か月遅れて食料価格に波及する
    単回帰(1か月ラグ)で β ≈ 0.85, p < 0.001 原油1ドル上昇で穀物指数が約0.85上昇(統計的に有意)
    短期の非対称回帰(上昇・下落分解)では有意差なし 月次レベルでは上昇時・下落時の反応差は統計的に確認されず
    長期的には正の共動性が維持 原油価格のトレンドが食料価格の基調を規定している

    今回の一連の分析(相関・ラグ・回帰・非対称回帰)から得られた結論を整理すると:

    1. 原油と食料価格には非常に強い正の相関(r ≈ 0.88)が存在する。
      両者は同じ方向に動き、長期的には構造的な連動関係にある。

    2. ラグ相関分析では、原油が約1か月先行して食料価格を動かす。
      エネルギーコスト上昇 → 肥料・輸送費上昇 → 食料価格反映、という遅行構造が確認された。

    3. 単回帰モデルでは、原油価格の1か月遅れの影響が統計的に有意。
      1ドル上昇につき穀物価格指数が約0.85上昇。決定係数は0.76と高水準。

    4. 短期(月次)の非対称効果は明確ではない。
      「上昇時は早く、下落時は遅い」という傾向は理論的には想定されるが、
      月ごとの変化(ΔX)ではノイズが大きく、統計的には有意ではなかった。

    5. ただし長期的には、上昇と下落が非対称に効く傾向が残る可能性がある。
      これは今後、NARDLモデルや累積効果分析で検証すべき課題。

    つまり、原油と食料価格は「同じ波を描く」。

    原油の変化は約1か月遅れて食料に波及し、長期的な連動関係が続いているのです。

    短期的な非対称性は小さいものの、エネルギーコストの高止まりが食料インフレを下支えする構造が統計的にも確認されています。

    🧩 まとめ:エネルギーは“約1か月遅れて”食卓を揺らす

    分析手法 主な結果 経済的意味
    単純相関分析 相関係数 r = 0.877(非常に強い正の相関) 原油と食料価格は同方向に動く。構造的な共動性がある。
    ラグ相関分析(−6〜+6か月) ラグ −1か月で最大相関(r = 0.879) 原油の変化が約1か月遅れて食料価格に波及。
    回帰分析(1か月ラグ) 回帰係数 β = 0.85, p < 0.001, R² = 0.756 原油1ドル上昇で穀物指数が約0.85上昇。統計的に有意。
    非対称回帰(上昇/下落分解) β₁(上昇)≒ β₂(下落), 有意差なし 短期(月次)では、上昇・下落の影響差は明確ではない。
    長期的傾向 r > 0.8 の共動が維持 原油トレンドが食料価格のベーストレンドを規定。

    💡 統計的視点から

    1️⃣ 原油と食料価格には極めて強い正の相関(r ≈ 0.88)が存在。
     世界のインフレ構造において、両市場は一体的に動いている。

    2️⃣ ラグ相関では、原油が約1か月先行して食料に影響。
     燃料・肥料・輸送などのコスト転嫁プロセスが、1か月前後の遅行を生む。

    3️⃣ 回帰分析でも同様に、原油価格の1か月遅れの効果が統計的に有意。
     原油上昇が即座に穀物価格へ反映されるのではなく、
     **“1か月程度のタイムラグを伴って波及する”**ことが実証的に確認された。

    4️⃣ 短期の非対称性(上昇時の方が強い)は月次レベルでは確認されず。
     ただし長期では、上昇ショックの影響が残りやすい傾向が示唆される(NARDL分析で検証予定)。


    🧭 経済的な意味

    この1か月程度の遅行は、以下の経済構造的メカニズムによって説明できます:

    • 肥料・燃料コストの転嫁:原油高 → 窒素肥料・物流費の上昇 → 農産物コスト増。

    • 在庫・契約サイクルの遅れ:農産品の輸入契約や在庫調整に1〜2か月のタイムラグ。

    • 価格転嫁の段階性:卸売 → 小売 → 消費者価格までの反映に時間を要する。

    つまり、原油価格の上昇は「翌月以降の食料インフレ」を先導する構造になっているのです。


    📈 総合的な結論として

    統計的に見て、原油価格の変動は約1か月遅れて食料価格に波及している。
    これは偶然ではなく、エネルギーが農業コストを通じて時間をかけて食卓へ波及する経済構造を反映している。

    燃料の値動きは、単なる市場データではなく、
    **未来の食料インフレを先読みする「先行指標」**である。
    エネルギー価格を読むことは、数か月先の物価・生活コストを読むことに等しい。

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