最頻値(モード)とは?平均・中央値との違いと活用事例をやさしく解説

数学
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はじめに:一番よく出てくる値「最頻値」

データ分析において「代表値」は、データ全体を要約するための基本的な指標です。

  • 平均(mean)= 全体の合計 ÷ 個数

  • 中央値(median)= 並べたときの真ん中の値

  • 最頻値(mode)= 最も頻繁に現れる値

この「最頻値」は、特にアンケート調査やマーケティング、教育評価、サイズ分析などで活躍します。
平均や中央値では捉えきれない「選ばれやすさ」「人気の集中」を捉えるのに最適です。


1. 直感的なたとえ:「一番人気の商品は?」

たとえば「好きな果物」のアンケートを取ったとします:

回答:いちご、バナナ、バナナ、ぶどう、りんご、バナナ、いちご

この中で最も多く選ばれているのは バナナ(3回)

→ この場合の 最頻値(mode)は「バナナ」 です。

最頻値は、データの中で最も「票を集めた」値と考えるとわかりやすいでしょう。


2. 数値データでの最頻値の計算例

単峰性(最頻値が1つ)の例:

データ:5, 8, 8, 10, 12, 8, 15
最頻値 = 8(3回登場)

双峰性(最頻値が2つ)の例:

データ:5, 8, 10, 10, 12, 8
→ 8と10がそれぞれ2回ずつ → 最頻値が2つある

最頻値が存在しない例:

データ:1, 2, 3, 4, 5
→ 全部1回ずつ → 最頻値なし

3. 最頻値の数学的定義と性質

最頻値(mode)は、「データの中で最も頻繁に出現する値」を指します。
統計的には「度数が最大となるデータの値」として定義されます。

🔢 数値データでもカテゴリデータでも使える

最頻値の特徴のひとつは、数値だけでなく、文字列などのカテゴリ変数にも適用可能であることです。

  • 数値データの例:テストの点数、商品の価格帯など

  • カテゴリデータの例:好きな色、アンケートの回答(A/B/C)

これにより、定量データにも定性データにも対応できるという柔軟性があります。

🔁 最頻値は一意とは限らない

平均や中央値とは異なり、最頻値は「必ず1つに決まる」とは限りません。

  • 最頻値が複数ある場合(多峰性)
    たとえば [10, 20, 20, 30, 30] のようなデータでは、20と30の両方が最頻値になります。これを「バイモーダル」と呼びます。

  • 全てが同じ頻度の場合
    最頻値が「存在しない」とみなされることもあります。

このように、最頻値は分布の性質に応じて定義や解釈が分かれるという点に注意が必要です。

📊 分布の形と最頻値

最頻値は「分布の形」を視覚化・分析するうえで非常に役立ちます。

  • **正規分布(左右対称の釣鐘型)**では:
    最頻値 ≒ 平均 ≒ 中央値 となり、ほぼ一致します。

  • **右に歪んだ分布(右裾が長い)**では:
    最頻値 < 中央値 < 平均 の順になります。

  • **左に歪んだ分布(左裾が長い)**では:
    最頻値 > 中央値 > 平均 の順になります。

この関係性を知っておくと、最頻値だけではなく、平均・中央値とセットで分布の「歪み」や「偏り」を理解する手がかりになります。


✅ まとめ

  • 最頻値は「最も多く出現した値

  • 平均・中央値と並ぶ代表値の1つだが、複数存在する可能性あり

  • カテゴリデータにも使える数少ない代表値

  • 分布の歪みや偏りを読み解くうえで、他の代表値と組み合わせて使うと効果的


このように、最頻値は一見シンプルに見えて、分布の形状やデータの性質を捉えるための奥深いツールです。

次のセクションでは、こうした性質を活かした実務での応用例を紹介します。


4. 平均・中央値との違いと使い分け

指標 特徴 外れ値の影響 主な用途
平均 データ全体の中心を表す 受けやすい 継続的データの分析全般
中央値 真ん中に位置する値 受けにくい 所得や価格の分析など偏りがあるデータ
最頻値 最も多く現れる値 受けにくい カテゴリデータや選好データ、分布の山を知る時

組み合わせて使うことで、データの構造がより明確に把握できます。


5. PythonとExcelでの最頻値の求め方

Python(collections.Counter 使用):

from collections import Counter

data = [5, 8, 8, 10, 12, 8, 15]
counter = Counter(data)
most_common = counter.most_common()
print(f"最頻値は: {most_common[0][0]}({most_common[0][1]}回出現)")

Excel:

=MODE.SNGL(A1:A10)
  • MODE.SNGL:単一の最頻値を返す

  • MODE.MULT:複数最頻値がある場合にすべて返す(配列式として使用)


6. 実務での活用事例【最頻値の現場力】

✅ 商品開発(アパレル・飲料・日用品)

消費者の「一番よく買う」サイズ・色・フレーバーを知ることは、無駄のない生産や在庫管理につながります。

例:

  • Tシャツの販売記録
    → 売れ筋サイズ:M(最頻値)
    → 商品戦略:Mサイズの在庫を厚めに確保、SやLは控えめに

  • 飲料のフレーバー調査
    → 最も選ばれる味:「グレープ」
    → 限定フレーバーや販促キャンペーンの中心に据える

最頻値は「多数派のニーズ」に応える判断材料として極めて有効です。


✅ 教育・試験分析:最頻点の意味

試験の点数分布において、**最頻点(mode)**は「最も多くの生徒が取った点数」です。

例:

  • 点数の分布:[60, 75, 80, 75, 90, 75, 95]
    → 最頻値 = 75点(3人)
    → 教師側の気づき:

    • 出題の難易度がちょうどよかった?

    • このあたりの理解度にボリュームゾーンがある?

中央値や平均点では見えない「多くの生徒がどこでつまずいたか/得点したか」という教育設計のヒントになります。


✅ 食料・価格分析:平均は“ズレる”こともある

価格データは外れ値に弱く、平均が実感とズレやすいため、最頻値が「典型価格」を捉えるのに役立ちます。

▶ 例:あるスーパーの価格データ

価格:298, 301, 300, 305, 1200, 299, 301, 300, 302
  • 平均(mean):約370円
    → 極端な高価格「1200円」が全体を引き上げてしまう

  • 最頻値(mode):300円(2回)
    → 実際に店頭でよく見る「標準価格」

このように、実態に即した「市場の肌感」に近い価格帯を示すのが最頻値の強みです。
業務で価格帯の設定や広告の見出し(例:「通常300円のところ…」)に活かせます。


✅ Webアクセス解析やUI改善にも

  • ユーザーが最も多く使用しているブラウザ・デバイス・画面サイズ

  • 一番アクセスが集中する曜日・時間帯

なども最頻値で捉えることができ、サイト改善や配信タイミングの最適化に直結します。


7. 最頻値の注意点

  • 複数ある場合の扱いに注意(双峰性や多峰性)

  • すべて異なる場合:最頻値は存在しない

  • 分布の偏りや広がりは見えない → 他の指標と併用すべき


8. まとめ:最頻値は「最も選ばれた値」

  • データ中で最も頻繁に登場する値=最頻値(mode)

  • 数値でもカテゴリでも使える、直感的で有用な代表値

  • 平均や中央値だけでは見えない「人気の集中点」を明らかにする

  • 実務(商品分析・マーケ・教育・価格評価)で広く活用される

  • 他の指標と組み合わせて、バランスよくデータを読み解こう


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