世界の食料問題を正しく理解するには、「感覚」ではなく「データ」が必要です。
FAO(国連食糧農業機関)の統計は、農業・食料の国際的な基準。
この記事では、初心者でも使いやすいFAOの可視化ツール「Global Food Dashboard」の使い方をわかりやすく解説します。
はじめに:なぜFAO統計を読むべきか?
「世界の食料が足りなくなるって本当?」「日本の食料自給率って低いの?」
そんな疑問を持ったことはありませんか?
世界の食料事情を正しく理解するには、“感覚”ではなく信頼できる統計データが必要です。
そこで役立つのが、FAO(国連食糧農業機関)が提供する公的データです。
FAO統計の特徴:
- 農業・食料・漁業・林業などに関する国際的な基準
- 各国政府から提供されるデータに基づく
- 誰でも無料・登録不要で閲覧可能
- 英語が少し読めれば使える(翻訳機能も活用可能)
今回は、初心者にも扱いやすい「FAO Global Food Dashboard」を使って、基本的な統計の読み方と活用方法を紹介します。
FAO Global Food Dashboardとは?
FAOが提供するインタラクティブな可視化ツールです。
以下のような項目を、国別・年別・品目別にグラフで閲覧できます。
▶ FAO Global Food Dashboard(公式サイト)
主なデータ項目:
- 食料自給率
- 生産量・消費量・輸出入量
- 栄養・カロリー・供給エネルギー
- 輸入依存度(Import dependency ratio)
- 1人あたり供給量(Per capita supply)
実践ガイド:使い方3ステップ
ステップ①:国を選ぶ
トップページ中央の「Select a country」から国を選択します。
たとえば「Japan」を選ぶと、以下のように統計が自動表示されます。
- 穀物・肉類・乳製品・野菜などの品目ごとに
- 供給量、カロリー、輸入依存度などが一覧に
ステップ②:品目を選ぶ
上部メニューで表示内容を切り替えられます:
- All food groups(すべての品目)
- By commodity(品目別)
例:Cereals(穀物)を選ぶと、コメ・小麦・トウモロコシなどの詳細が表示されます。
ステップ③:注目すべき3つの指標
英語表記 | 日本語訳 | 意味 |
---|---|---|
Per capita supply (kg/year) | 1人あたり供給量(kg/年) | 国民1人あたりに供給される量 |
Import dependency ratio (%) | 輸入依存度(%) | 国内消費に対して輸入に依存している割合 |
Food energy (kcal/capita/day) | 1人あたりカロリー供給量 | 1日あたりのエネルギー量(kcal) |
例文: Per capita supply of rice: 53 kg/year → 日本人1人あたり、年間53kgの米が供給されている。
英語が苦手でも大丈夫!使いこなすコツ
統計の魅力は、「単語+数値」で理解できる点にあります。
以下のような方法で英語が不安な方でも安心して利用できます。
- Google翻訳を活用:Google Chromeで「右クリック → 日本語に翻訳」
- 数字を中心に見る:基本用語に慣れれば、英語のままでも把握可能
FAO統計の信頼性は?
FAOは、国連の専門機関として各国政府から直接データを収集しています。
日本の農林水産省、JETRO、大学などもFAOデータを利用しており、国際的な基準として信頼性は極めて高いです。
まとめ:数字で世界の食料を見る第一歩に
- FAO Global Food Dashboardは無料&登録不要
- 英語が不安でも単語とグラフで十分読める
- 世界の食料状況を“感覚”ではなく“事実”で語れるようになる
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