ベクトルの成分と角度を求める方法は、物理学や工学分野で頻繁に用いられます。
ベクトルの成分とは、始点から終点までの各座標軸方向の変化量を指し、これを求めることでベクトルの方向や長さが明確になります。
本稿では、A座標 (4, 2) と B座標 (6, 5) を例に、ベクトルの成分と方向を導出し、Pythonコードを使用して視覚的に確認します。
また、ベクトルの角度を求める方法についても詳しく解説し、tanの逆関数を用いた計算例を示します。
ベクトルの成分を求める
A座標(4, 2)、B座標が(6,5)の場合ベクトルの成分は
を用いて、
つまり
これは、Bの座標 (6, 5) からAの座標 (4, 2) を引いた結果です。グラフも示しましたが、ベクトルは点A(4, 2)から点B(6, 5)へ向かう方向で描かれています。
以下ベクトルの成分を求めるコードになります。
# ベクトルABの成分を求めるには、点Bの座標から点Aの座標を引きます。 # ベクトルAB = (Bのx座標 - Aのx座標, Bのy座標 - Aのy座標) # 座標の定義 A = (4, 2) B = (6, 5) # ベクトルABの成分を計算 vector_AB = (B[0] - A[0], B[1] - A[1]) # ベクトルを描画するためにmatplotlibを使用 import matplotlib.pyplot as plt # ベクトルの始点と終点をプロット plt.quiver(A[0], A[1], vector_AB[0], vector_AB[1], angles='xy', scale_units='xy', scale=1, color='r') # 座標軸の設定 plt.xlim(0, 10) plt.ylim(0, 10) plt.grid(True) # 点Aと点Bのラベル plt.text(A[0], A[1], 'A(4, 2)', fontsize=12, verticalalignment='bottom', horizontalalignment='right') plt.text(B[0], B[1], 'B(6, 5)', fontsize=12, verticalalignment='bottom', horizontalalignment='right') # タイトルとラベル plt.title('Vector AB') plt.xlabel('x') plt.ylabel('y') # 結果を表示 plt.show() # ベクトルABの成分を出力 vector_AB
ベクトルの方向を求める
ベクトルの方向は成分の符号を見ることで、おおよその向きを知ることができます。
xの値が負の場合右から左のベクトルに、yが負の場合上から下へのベクトルになりますね。
では次にベクトルの角度を求めてみましょう。
まず、ベクトルの終点からx軸に向かって直線を描き、tanの逆関数を用いて以下のように表します。
では実際に計算してみます。
tanの逆関数は、mathモジュール tatn2()関数を使って求めてみましょう。
以下のコードを実行すると、角度 は56.31度となります。
import math rad = math.atan2(3, 2) th = math.degrees(rad) th = round(th, 2) th
ではx, y がマイナスの場合の角度も求めてみます。
以下のコードを実行すると、角度 は123.69度になります。
import math rad = math.atan2(-3, -2) th = math.degrees(rad) th = round(th, 2) th
ベクトルの角度計算を行う場合、x軸の正方向を0とし、上向きのベクトルは反時計回りに180度、反対に下向きの場合は時計回りに-180度の値になります。
まとめ
ベクトルの成分と角度を求めることで、空間内での向きや角度を正確に把握できます。
座標の差からベクトルの成分を求め、atan2関数で角度を計算することで、ベクトルの向きも明確になります。
Pythonコードを用いることで、これらの計算結果を直感的に視覚化でき、計算の確認も容易です。
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