MMT(現代貨幣論)をわかりやすく。理解のための重要ポイントとは

MMT(現代貨幣理論)
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MMT(現代貨幣理論)を、もっとわかりやすく説明することはできないものかと考え始めたのは、現在まさに進行中の新型コロナへの日本政府の対応のお粗末さからです。

他国(アメリカやイギリスなど)では、政府が休業要請を行うと同時に十分な補償を行っています。

しかし、新自由主義的な緊縮政策に縛られた日本政府は、他の国の政府のように国民に対する十分な補償をいまだに行っていない。

10万円が一回だけ支払われたのみですね。

保証を行わない政治的な理由は別にあるのですが、ここでは述べません。

しかし、日本国政府も他国政府と同じように、国民に十分な補償をすることは可能なのです。

日本国政府が財政出動を行うことで、国民に十分な補償をしても全く問題がないという意見の支えとなっているのが、MMT(現代貨幣理論)と言われています。

であるならば、まずはこのMMTを理解することで、日本国政府には財政の問題は全くないということ、そして国民に十分な補償ができるということがわかるのではないでしょうか。

そこで、この記事ではMMTを理解するうえで、重要な以下の点:

  1. MMT(現代貨幣理論)とは何か?
  2. 税金の役割とは?

について、できるだけ簡単に説明してみたいと思います。

 MMT(現代貨幣理論)とは?

MMT(Modern Monetary Theory: 現代貨幣理論)は、ランダル・レイ、ステファニー・ケルトン、ビル・ミッチェルらが唱えるケインズ経済学派の流れをくむマクロ経済学理論の一つです。

といっても、私たちは経済理論を勉強しているわけではないので、MMT(現代貨幣理)とは何かをまずはざっくりと分かればいいのではないかと思います。

そして、私たちがMMTを理解するうえで最低限知っておくべきことは、実際のところ以下の三つのポイントのみです。

  • 主権通貨を持つ政府には財政的な予算の制約がない
  • 全ての経済及び政府には需要と供給について限界がある
  • 政府の赤字はその他の経済主体の黒字

主権通貨を持つ政府には財政的な予算の制約がない

つまり、日本やアメリカ、イギリスなどの国々には財政的な予算の制約がないといっているわけですが、一つ一つ解説していかないとちょっと意味が分かりませんよね。

まず主権通貨を持つ国はいくつかあります。

日本円を持つ日本、アメリカドルを持つアメリカ、イギリスポンドを持つイギリスなどは主権通貨を持つ国といえますね。

もう少し詳しく説明すると、主権通貨を持つ国とは変動為替相場制の下で、自国通貨建てでモノやサービスの購入や債務の償還を行うことができる国という意味ですね。

為替レートが多少変動しても、政府は自国通貨で売られるものであればなんでも支払うことができ、自国通貨であるがゆえにデフォルトリスクはない。

つまり家の中で使われるお小遣い券で、家庭内のたいていのことが回るのが変動為替相場制の下で自国通貨を持つ主権通貨国というわけです。

もっというと、主権通貨国は国内で生活必需品を作り、しかも付加価値のある商品を輸出して、海外からお金を稼ぐことができる供給能力がある。

つまり、外貨準備を自力で積み上げることができるのが主権通貨国。

反対に自国通貨を持っていても、固定為替相場制を採用する国の多くは、自国で生活必需品を作ることができる供給能力がありません。

輸出できるものは付加価値の低い商品がほとんどで、外貨を稼ぐのに大変な苦労を要するのです。

つまり外貨準備を自力で積み上げることが難しいのが、主権通貨を持たない国ですね。

そのため輸入によって、国内へ生活必需品の安定供給を続けるため、外国通貨建て債務の発行による外貨準備を行い固定相場制を採用します。

しかし、外貨が枯渇してしまえば自国通貨の暴落、つまり悪性のインフレを招くと同時に、外債がデフォルトし財政破綻してしまう。

これが主権通貨を持つ国と、そうでない国との違いですね。

全ての経済及び政府には需要と供給について限界がある

すべての経済や政府には、需要と供給のバランスにおいての限界が存在します。

つまり、供給能力をはるかに超えた需要を満たすことはできないということです。

例えば主権通貨を持つ国に財政的な制約はないので、政府が国内のものやサービスを必要なだけ購入することは可能です。

しかし、需要にこたえる供給能力が国内になければ物価は上がる、つまりインフレになってしまいます。

需要の背中が見える程度に供給能力が追い付いていないときに起きるインフレ、つまり需要主導型のインフレならば、国の供給能力を増大させ同時に国民を豊かにすることができます。

しかし、供給能力が需要に全く追いつかない場合に起きるインフレは、国民生活に害を及ぼしてしまう。

そのため、財政政策や金融政策を用いて、インフレを適切な水準にとどめておく必要があるわけです。

需要と供給の差つまり、需給ギャッププラス2%(インフレ率2%)が適切な水準と言われ、一応日本銀行はそれを目指して金融緩和を行っていました。

そして主権通貨がない国々にとっては、インフレは恐怖そのものです。

もともと供給能力がないところに、財政出動することで需要を刺激すれば悪性のインフレが発生するのは当然ですよね。

政府の赤字はその他の経済主体の黒字

お金とは何かを簡単に説明すると、政府の負債の記録といえます。

会社や組織のバランスシートを想像してみてください。

右側が負債で左側が資産であり、最終の合計金額は資産と負債ともに同じ数字になりますね。

このバランスシートの視点から右側の負債は誰のものか、左側の資産は誰のものかを考えるとお金の本質が見えてくるのではないでしょうか。

つまり、政府はお金の発行者であり負債の所有者で、国民はお金の使用者であり資産の所有者なのです。

そして、バランスシートにおいて政府が負債を膨らませることで、国民の資産も同時に膨らんでいく。

反対に国民の資産が縮めば、政府の負債も縮んでいく。

お判りでしょうか?簡単に言うと、お金とは政府の負債の記録といえるのです。

税金の役割とは

MMT現代貨幣理論を理解するために知っておく必要があるのが、税金の役割です。

MMTについていろいろ知るようになると、必ず税金との関係性について疑問がわいてきます。

主権通貨を持つ政府に財政的な制約がないのであれば、なぜ税金が徴収されるのでしょうか。

「税金はゼロでもいいのではないか」「税金の役割とは何なのか」について知ることで、MMT(現代貨幣理論)をもっと理解できると思います。

税金を徴収する必要がないのに徴収する理由は、主に以下の4つです

  • 租税が貨幣を動かす
  • インフレ抑制
  • 富の再分配
  • 産業支援や罰則

租税が貨幣を動かす

「租税が貨幣を動かす」MMTの第一人者であるランダル・レイ教授が繰り返し著書「MMT現代貨幣理論入門」で述べています。

主権国家において、納税の手段はその政府自らが発行した通貨によってのみ行われます。

自らが発行した通貨以外の支払い手段がある政府があるかどうかはわかりませんが、日本で税金の支払いは日本円で行われますし、アメリカやイギリスでも同じことですよね。

税金の支払いを、その国のが発行した主権通貨ではなく、例えば不動産や、極端な話ビットコインで納めることはできません。

つまり、不動産やビットコインでは納税の義務を果たすことができずに罰則を受けるので、それを回避するために、我々は通貨を手に入れようとするというわけです。

つまり主権通貨による納税の義務があることによって「通貨の使用が(言葉は悪いが)強制されている(ランダル・レイ)」ということになるのです。

もう一つ、通貨と租税の概念を簡単に説明した、ステファニー・ケルトン教授の例を見てみましょう。

ステファニー・ケルトン教授は「財政赤字の神話 MMTと国民のための経済の誕生」の中で、彼女にMMTの基本的な考え方のヒントを与えた、ウォーレン・モズラー氏と息子たちの話を書いています。

簡単に説明するとウォーレン・モズラー氏が、息子たちに家の手伝いをさせるために名刺に通貨とし手の役割を持たせたんですね。

つまりお手伝いをすることでモズラー氏からもらった名刺を、モズラー氏に支払わなけれれば夕食後のテレビはなく部屋に直行させれられる、遊びにも行けないという事態になる。

つまり、名刺という通貨をお手伝いの対価としてもらい、それを租税として納めることでテレビ無しという罰を受けることなく過ごせるということになります。

ここで世界の多くが勘違いしている重要なポイントは、名刺はお手伝いの代金を子供たちに支払うために子供から集めるものではなないのです。

まずモズラー氏が名刺を発行し、税として徴収したという事実です。

普通に考えて、今手元にある通貨は、誰かが発行しなければ手元には存在しませんよね。

そして、通貨は私たちが勝手に作れるものではなく、政府が正当な手順を経て発行したものなのです。

インフレの抑制

租税には多くの役割があるのですが、インフレの抑制もその一つです。

ランダル・レイ教授によると、租税の役割は総需要減らすことと認識されています。

例教授の著書、MMT入門の中でも書かれていますが、連邦政府の支出がGDPの約20%で租税収入が17%。

しかし、租税収入を0%とした場合の支出20%が、丸々経済に注入されれば消費が過熱し大幅なインフレを引き起こす可能性があるのです。

つまり、租税は総需要を減らすことでによって、インフレを抑制する役割があると言えます。

景気が過熱しすぎているときには、増税することで景気を適切なレベルまで冷まし、反対に景気が冷えているときには、減税を行うことで景気を適切なレベルまで温めることができるのです。

ここで少し書いておきたいのが消費税ですが、消費税そのものに問題があるというわけではなく、消費税制がいつどのように使われるかが問題なのです。

つまり、インフレが過熱しているときに需要をある程度冷やすため、消費税用いるのはインフレ抑制の手段としてはありでしょう。

しかし、税が財源という間違った思い込みにとらわれ、需要が冷え込んでいるデフレ期にさらに消費を増やす消費税を導入または増税するのは、さらに需要を冷やすことになります。

もちろん、租税だけがインフレの抑制と需要の喚起を行えるというわけではなくほかにも手段はあるのですが、租税に景気の調整弁としての役割があるということも覚えておくべきでしょう。

富の再分配

租税には富の再分配という役割もあります。

つまり、国民間の富の偏りをならす効果を持っているのです。

「金持ちはより金持ちに、貧乏人はより貧乏に」といういうよく知られた言い回しですよね。

この考え方は人類がうまれたときからあるのではないかと思えるくらい、古くからよく知られた考え方ではないでしょうか。

例えば聖書では、マタイによる福音書の13:12。

おおよそ、持っている人は与えられて、いよいよ豊かになるが、持っていない人は、持っているものまでも取り上げられるであろう。

そして25:29でも同じことが書かれています。

おおよそ、持っている人は与えられて、いよいよ豊かになるが、持っていない人は、持っているものまでも取り上げられるであろう。

また経済学者トマ・ピケティは実証データに基づいた著書「21世紀の資本」で「金持ちはより金持ちに…」という現象を提示しています。

結局のところ、自然現象としてのこの格差をほおっておけば、国内で富裕層と貧困層との分断が起こり、国内の不安定化を招くことになるのです。

このような貧富の差を再配分する機能こそが、累進課税や法人税などの税の仕組みといえるでしょう。

産業支援や罰則

租税の役割はある特定の産業支援や、罰則の側面もあります。

例えば、国策としてテクノロジー分野を伸ばしたいのであれば、関連する産業にかかわる租税を減免することで、需要が活発化することは容易に想像できるでしょう。

反対に、酒やたばこなど健康を害するまたは可能性のある嗜好品に関しては、増税をすることで消費を抑え、健康被害を少なくすることもできます。

つまり税を恣意的に運用することで、どの分野の需要を伸ばし、または減らすかを操作することが可能なのなのです。

MMT(現代貨幣理論)についてのまとめ

この記事では、MMT(現代貨幣理論)について以下のポイントに絞って書いてみました。

  1. MMT(現代貨幣理論)とは何か?
  2. 税金の役割とは?

本気でMMTについて勉強しようというのであれば、経済をより広い視点から理論と実験を通じて学ぶ必要があります。

しかし、経済について一般的なことが知りたいという場合は、とりあえず本記事で書いた点を理解することで、MMT(現代貨幣理論)について大まかな枠組みはが分かるのではないかと思います。

お金というとどうしても、お札の現物を創造してしまいます。

しかし実際は、お金(貨幣)には様々な種類があるのです。

例えば、身近なところでは銀行預金や借用書もお金といえますし、日銀当座預金や国債などもお金(貨幣)と言えるでしょう。

お金って何なのかを考えてみることで、自分の懐具合や世の中の動きというものをもう少し広い視点から見ることができるのではないかと思います。

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