経済でよく出てくる長期国債について、ちょっと興味がわいてきたので簡単にですが、調べてみました。
いろんなメディアや経済学者、アナリストたちが国債について解説していますが実際のところ国債ってよくわからないので、自分で簡単に調べてみました。
そこで分かったことというのが意外と面白いので、自分なりにまとめてみたのがこの記事です。
国債が何かについて理解するための、一つの見方になるかと思います。
国債って何?
国債は政府が発行する貨幣の一つです。(【三橋貴明】国債は政府が発行する貨幣である)
私たちになじみがあるお金、つまり万札とか千円札とかは、様々な種類の貨幣の一つなんですね。
ざっくり挙げただけでも、国債、日本銀行券(紙幣)、日銀当座預金、銀行預金など様々な貨幣があるんですね。
国債はそのうちの一つです。
かの池上彰氏は「国債は国の借金」といっていますが、実はこれ、ちょっとよくわからないんですよね。
というのも「国って誰?」という疑問がどうしても湧いてきます。
国民ていうこと?でも自分は国に借金していないし、督促状が来たこともないし。
というわけで、国という定義は非常にあいまいなんですね。
国債は、英語で「government bond」というように政府の負債であって、いわゆる国民を含んだ国全体の借金ではないのです。
国債の金利とは?
国債の金利は簡単に言うと国債の価値を表します。
国債の価値と金利は反比例の関係にあり、国債の価格が上昇すると金利が下がり、反対に価値が下がると金利が上がります。
例を挙げると、A国の発行する国債に価値が認められないと市場が判断すれば「利回り高くすれば安いけど買ってやるよ」っていう感じ。
反対に、B国の発行すする国債に価値が認められれば、「利回り低くてもいいから売ってください」となるわけですね。
ちなみに日本の国債は発行されている量も少なく、しかも40%超を日本銀行が保有しているので希少価値が高いため、金利が超低空飛行ですね。
参考サイト→ 国債の価格と利回りが上下する仕組みについて、分かりやすく教えてください。
長期金利とは?
長期金利とは、償還期間が長い債券の金利のことで日本国債では10年物以上の国債金利のことを指します。
長期金利はかなり重要な指標で、ちょっと上がったり下がったりするだけで、世界が大騒ぎになってしまうんですね。
基本的に長期金利の低下は、国債の価値が上がることなのですが逆に国内の資金不足(デフレ)つまり供給力過多を表してもいるのです。
反対に、長期金利が上がるということは国債の価値が下がる、または国内の資金過多(インフレ)つまり需要過多という意味でもあります。
国債金利が上がるとどうなる?
国債の金利が上がる場合、単純に国債価値が下がるということだけではないですね。
それ以外にも二つの見方があって、需要牽引型の経済成長が起きているのか、それとも供給不足型のインフレが起きているのかのどちらかになります。
そのため、長期金利の上昇が初期段階の場合は、実体経済がどちらに向かっているのかが分からないのです。
参考記事→長期金利上昇の仕組みを解説、「良い金利上昇」「悪い金利上昇」の違いとは
長期金利の推移をグラフで見てみると
では長期金利の推移を実際にグラフで見てみましょう。
30年国債と40年国債の長期金利の推移を見ていますが、全体的な傾向として右肩下がりなのはご覧の通りですね。(ソース:財務省)
その中でも特に目立つのが、平成5年(1993年)と平成28年(2016年)の金利下落ですね。
この年に何があったのかというと、平成5年には当時の大蔵省が経常収支の黒字が前年比39.7%増の1260億7600万ドルで過去最高と発表しています。
経常収支は以下の四つで表されます。
- 貿易収支……モノの輸出入の集計
- サービス収支……海外旅行先で買い物、食事したりが、日本のサービス収支の赤字に計上
- 所得収支……企業が海外の工場建設などや海外証券投資で得た収益から、日本国内で外国企業などが得た利益や報酬などを引いたもの
- 経常移転収支……開発途上国への経済援助や国際機関への拠出金など
まあ要は、日本が海外から受け取った金額が、支払った金額よりも大きいということです。
ここで日本の輸出力がすごかったという短絡的な結論を出すこともできるんですが、実際は違うようですね。
当時の経済企画庁による年次報告書があるんですが、これを見るとどうやら黒字額の増加は、円高と国内の景気低迷が原因のようです。
こくないの景気低迷によって、国債需要が増加し金利が下落したのではないかと思うんですが、もう少し調べてみることが必要ですね。
では、平成28年(2016年)の金利下落、つまり国債価格の上昇はなぜ起きたのかを推測してみましょう。
平成28年には、政治的そして経済的に3つの大きな出来事がありました。
まず、アメリカのトランプ大統領の誕生、イギリスのEU離脱(Brexit)そして、日銀のマイナス金利導入ですね。
これらの三つがどのように国債価格に影響していたのかを、しっかり見てみる必要がありますが、おそらく一番大きな要因はマイナス金利の導入でしょう。
デフレによって投資が減る中でのマイナス金利は需要が無いところに、供給力をさらにつぎ込んだという意味。
つまり、デフレを拡大させる政策だったために、国債の価格が高騰したということではないかと思われます。
まとめ
国債とは政府が発行する貨幣の一つで、価格が上がれば金利が下落し、下がれば金利が上昇します。
当然ながら、国債の需要が高ければその価格は上昇し、低ければ価格は下がる。
つまり日本の国債金利が下がり続けている、つまり国債価格が上がり続けているのは、それだけ需要があるからということになります。
つまり、国債価格の上昇は国内の供給能力過多(デフレ)、そして下落は逆に需要過多(デフレ)を示していますね。
というわけで、長期金利の上昇、下落についてまとめてみましたが、国債の発行量が金利に大きな影響を与えているようですね。
コメント