グローバリズムがここ数十年間世界のトレンドでしたが、どうやらグローバリズムの弊害によって多くの人たちが不幸になっていることが実感としてわかってきたようなのです。
その反動で、過度のグローバリズム依存から、ナショナリズムへと軸足が変わり始めています。
そこでこの記事では、以下の三点にをもとにグローバリズムとは何か、そして健全なナショナリズムをもった国はどうあるべきかについて書いていきたいと思います。
- グローバリズムとは
- ナショナリズムとは
- 目指すはグローバリズムとナショナリズム?
今の世の中がなんかおかしいと思っているなら、その違和感の原因を突き止めるための考え方の一つになるかもしれませんよ。
グローバリズムってなに?
グローバリズムとは、簡単に言ってしまえば「人類みな兄弟」的なお花畑思考で、地球全体を一つの共同体とみなして行政や経済の一体化を進めるという思想です。
しかしその実態は、規制緩和や自由貿易拡大とそれに伴う政治、行政の改革をなど多国籍企業が国境超えた経済活動を行うために進める、政治や行政の改革を行う思想全般といっていいでしょう。
そしてこのグローバリズムによってもたらされたものが、「人類みな兄弟」的な建前とは程遠い国民の分断、そして貧困化だったのです。
多国籍企業が目論む規制緩和や自由貿易拡大は、三橋貴明氏がグローバリズムのトリニティと呼ぶ事象のうちの二つにになります。
グローバリズムのトリニティとは自由貿易、規制緩和、緊縮財政の三つで、グローバリズムにはこの三つがセットでもれなくついてきます。
まず緊縮財政がやってくる。
「我が国は借金大国だ」「財政の引き締めをしなければ財政破綻する」というプロパガンダをもとに、国の支出を削りまくります。
国の支出をげずりまくると国民が貧しくなるんですが、相対的に公務員の給料が高く見える。
そこに的を絞ることで「あいつらの給料高すぎる」「俺たちがこんなに苦労しているのに」「民営化して自由競争にさらせ」という具合に国民の嫉妬をあおることで、民営化してはいけないものまで民営化していく。
いわゆる規制緩和なんですが、水道、電気、ガスなどのライフラインが次々に民営化、または民営化されようとしています。
そして自由貿易の名のもとに、民営化されたところに入り込むのが多国籍企業なんですね。
現に、水道民営化を外資系の企業が狙っていますし、大きな問題となっている種子法廃止や種苗法改正なども実態は日本の農業を自由競争にさらすための規制緩和なんですね。
ナショナリズムとは何か
グローバリズム(国民主義)の正反対にあるのがナショナリズムですが、基本的な考え方は「人々の集まる基本的な単位を国家とて、その構成員たる国民の生活を維持発展させていくことに注力を置いた思想」といわれます。
日本でナショナリズムというと、なんか右翼的で懐古主義的、民族主義的なイメージがありますよね。
アメリカでも、右翼的な政治家に区分されるであろうトランプ大統領が自国第一主義的な政策をとっています。
しかし現実は、ナショナリズム全てが右翼的ではなく、左翼的な政治思想を用いて国民主義的政治を行った国や政治家は数多くいます。
第一次世界恐慌時のルーズベルト大統領は、左翼的な考えを持ってニューディール政策を行ったともいえるでしょう。
ではナショナリズムとは何なのかというと、国家の構成員たる国民を幸せにするための政治を行うために、過度な変革へのブレーキとなるのがナショナリズムなのではないでしょうか。
「新自由主義に対する保守の役割とは」というタイトルでnoteにも書きましたが、ナショナリズムの根底にある保守的な思想とは「普通の日常が普通に続く幸せな毎日を送ることができるよう努める」こと。
つまり右翼的なのか左翼的なのかが問題ではなく迫りくる変革の波(ここでいえばグローバリズム)に対し、是々非々で対応するための国民としての知性ともいえるのではないでしょうか。
つまり、グローバリズムという商業の過剰状態による国家の解体、つまり国民生活の解体を防ぐための手段として、国の中で培われてきた知性と教養こそがナショナリズムの根底になければならないのではないかと考えます。
目指すはグローバリズム?ナショナリズム?
国民国家の安定と経済的な豊かさを考えるのであれば、国の姿勢はナショナリズムに基づいたものでなければならないのではないでしょうか。
グローバリズムという過度な商業主義、つまり新自由主義によってもたらされるものとは何か?
それは企業の合理化による雇用の不安定化、行き過ぎた個人の選択の自由による家族や地域の共同体を棄損、市場主導の労働者の移動によって生み出される孤独な個人なのです。
結局のところ、上のような社会になることで幸せになる人たちは少数派ですよね。
大半の人たちは個々に分断され、孤独の中で国際資本の奴隷となりながら、死んでいくことになるでしょう。
しかし国際的なつながりを保つことによって、人類社会が恩恵を受けている面も否めません。
つまり、現代において完全な形でグローバリズムを封じ込めることはほぼ不可能なわけです。
であるならば、各国がその歴史の中で培ってきた教養と文化を根底としたナショナリズムをもとにグローバリズムがもたらす緊縮財政、規制緩和、自由貿易に立ち向かうことが必要なのではないでしょうか。
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