インフレとかデフレとか「なんよく分からない」「今一つ説明がしっくりこない」と思っていませんか。
あるいは、ハイパーインフレという言葉に惑わされて、必要以上にインフレとかデフレとかを怖がっていませんか?
インフレとかデフレは、経済的な対応を間違うと最悪の場合人が死んでしまうのですが、正しい対応をしていれば、たいていの場合経済的な損失を少なくすることは可能です。
そこで、インフレとかデフレってどのような経済現象なのか、どう対処するのかについて以下のポイントに沿って書いていきます。
- インフレとはいったい何?
- デフレっていったい何?
- インフレとデフレどっちがいい
「インフレとかデフレがよくわからない」というあなたの、参考になればと思っています。
インフレとはいったい何?
インフレ(インフレーション)とは簡単に説明すると、需要が供給を上回っている状態です。
式で表すとこんな感じ:需要>供給。
基本的にこれさえわかっていれば、インフレとは何かを理解することができます。
ちなみに、いわゆる「経済学」ではインフレを
モノやサービスの全体の価格レベル、すなわち物価が、ある期間において持続的に上昇する経済現象である。
と定義しています。
でもこれ、なんで「モノやサービス全体の価格(物価)持続的に上昇する」のという、肝心なことを説明していないんですよね。
なので、インフレを必要以上に得体のしれないものと考えてしまう。
物価上昇のメカニズム
メカニズムなんて大げさなものでもないですが、物価が上がる理由は重要に対して供給が足りていないからですね。
つまり「需要>供給」という状態。
私たちが物やサービスを買いたいという欲求が、100%満たされていない状態ですね。
例を挙げてみましょう。
冬場って野菜の値段上がりますよね。あれはなぜだと思いますか?
寒い冬でも新鮮な野菜を食べたいという需要に対して、新鮮な野菜を供給できるところが少ないので、野菜の値段が上がってしまう。
インフレと言ったらこういうことなんだなと考えておけば、理解は簡単です。
インフレとお金の関係
インフレの時、お金の価値は下がるといわれています。
実際そうなんですが、その理由は「物の価値が上がるからです」。
インフレは需要が供給を上回った状態と説明しましたね。
つまり、供給が100%需要に対して満たされていないので、100円の価値があるものを110円払っても、買いたいという状態です。
つまりこの状態でいうと、お金の価値が10円下がったことになるのです。
これが、インフレになるとお金の価値が下がるといわれている状態です。
そのため、インフレになってくると、不動産や金などの現物投資が盛んになってくるというわけですね。
ハイパーインフレってどういう状態
いわゆる「経済学者」がよく口にするハイパーインフレですが、これは定義がありまして国際会計基準によると「3年間で累積100%以上の物価上昇」または月間50% 以上のインフレという状態です。
つまり年率換算で、10,000%以上のインフレということですが想像がつかない状態です。
しかし歴史上、上記の定義を満たすハイパーインフレが起きたのは世界史に約60件(戦後日本のインフレは含まれていない)ほどあり、その原因は大きく以下の三つに分けられます。
- 戦争などで供給能力が棄損された場合
- 東欧の瓦解など旧体制から新体制への移行期
- もともと2桁以上のインフレが続いている国で、マクロ経済政策の失敗などによって発生
よくいわゆる「経済学者」が「国債を発行すると国の借金が増えてハイパーインフレになる」と叫んでいます。
しかし、上記のハイパーインフレになる条件を見る限り供給能力の壊滅的な破壊(戦争、首都直下型地震)が起きなければハイパーインフレになることはなさそうですね。
デフレっていったい何?
デフレ(デフレーション)はインフレとは逆の経済現象で、供給が需要を上回った状態をいいます。
「供給>需要」という状態です。
一応経済学ではデフレのことを、
物価が持続的に下落していく経済現象を指す。
と定義していますが、なぜ物価が継続的に下落していくのかというと、理由は二つあります。
一つは、物を買いたいという欲求以上に供給が満たされているからです。
別の言葉でいうと、100円の商品だけど90円なら買うよ、という感じでほかで買うという選択肢がある場合。
もう一つは、国民の貧困化による購買能力の低下があります。
つまり100円の商品が、90円でしか買えないという状態ですね。
どちらの状態にしても、売る側としては物の値段が高いと売れないので値段を下げる、すると利益率が下がる。
利益減ると、そこから払われる固定費を削減しようとする。
すると給料が引き下げられる。するとますます、安いものしか買えなくなる。
これがいわゆる、デフレスパイラルというものです。
デフレとお金の関係
デフレ時のお金の価値はというと、インフレとは真逆でお金の価値が上昇します。
今まで100円出さなければ買えなかったものが90円で買える、つまりお金の価値は下がっているということになります。
つまり需要不足による物価の下落が起きているので、お金の価値が上がるのは当然ですよね。
インフレの場合は、現物投資が盛んでしたがデフレの場合は貯蓄資産価値を保つ一番の方法だと思います。
インフレとデフレどっちがいい
結局インフレとデフレどっちが国民が幸せになれるのかというと、それはもちろんインフレでしょう。
インフレとは「需要>供給」という状態。
需要が供給を上回っている状態では、需要を満たすために供給能力向上のための投資が盛んにおこなわれます。
物やサービスを提供すれば売れる状態なので、設備投資や雇用投資が増えるのは当然ですね。
つまり継続的な物価の上昇は設備投資と雇用の拡大による好景気を生み出します。
とはいってもインフレ率が高くなりすぎると、逆にバブル経済を生み出してしまうので年率2%ほどのインフレ率が好ましいといわれています。
しかしデフレの場合、給料が減り、雇用が減り、購買購買力が減り、会社も倒産しだすという悪循環が続きます。
どっちがいいですか?と問われてデフレがいいですと答えたあなたは、かなりの大金持ちでしょう。
詰まるデフレ下で、得をするのはしっかり現金を持っている資産家など少数の方々。
反対に、インフレで得をするのは資産があまりない、または借金があるなどの一般大衆です。
あなたはどちらですか?
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