農業競争力強化支援法 種子法廃止 種苗法改正案:食を破壊する3点セット

食料
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生きていく上で絶対に欠かせない食料の安定供給を確保するのは、政府の役割ですが実際のところ日本国政府の食料供給に関する国家戦略って何かあるんでしょうかね?

食料供給に関わる政策ってあまり話題になりませんが、実際に何が行われているのかを再認識することは今後の指針を考えるための材料となると思います。

現在の日本政府に食料戦略が欠如していることは明白であり、国民の食料安全保障に大きな影響を及ぼすと考えられる法制度が制定・廃止されています。

そこでこの記事では以下の内容を見ながら、日本の食料安全保障について考えていきたいと思います。

  1. 農業競争力強化支援法
  2. 種子法廃止
  3. 種苗法改正案

簡単にですが、これらの法律の問題点をまとめてみましたので、ぜひ読んでみて下さい。

農業競争力強化支援法

今でこそ種子法や種苗法が問題になっていますが、一連の流れの下になった法律がこの「農業競争力強化支援法」といういかにも農家や農業経営者のためになりそうな名前の法律です。

しかし名前とは裏腹に、規制緩和と競争力の強化による生産性の向上を目指すという、新自由主義思想も基に作られた法律ということが簡単に読み取れます(実際の条文はこちら)。

条文を読んでみると、あまりの問題の多さにめまいがしますが、特に問題と思われるのが、まずは第七条。

国は、良質かつ低廉な農業資材の供給又は農産物流通等の合理化を実現するための施策を講ずるに当たっては、農業生産関連事業者の自主的な努力を支援することにより、民間事業者の活力の発揮を促進し、適正な競争の下で農業生産関連事業の健全な発展を図ることに留意するものとする。

つまり「国は遠くで見守っているから、お前ら自分で何とかして頑張れよ」っていう感じで、農業という国民の命に係わることを民間に丸投げしています。

また、第8条第4項では、

種子その他の種苗について、民間事業者が行う技術開発及び新品種の育成その他の種苗の生産及び供給を促進するとともに、独立行政法 人の試験研究機関及び都道府県が有する種苗の生産に関する知見の民間事業者への提供を促進すること。(農業資材事業に係る事業再編又は事業参入の促進等)

というように「とにかく規制緩和して民間を参入させろや、こら!!(種子法廃止)」という部分と「自治体で囲っているものさっさと民間にわたせ、こら!!(種苗法改正)」という部分から成り立っています。

結局のところこの流れに沿って、種子法廃止、そして種苗法改正へと続く法的根拠が定められてしまいました。

この法律が施行されたのが2017年、そしてまずは2018年4月の種子法廃止へとつながっていきます。

種子法廃止

種子法の正式名称は「主要農作物種子法」で、主要農作物とは米、小麦、大豆を対象とした法律でした。

種子法の目的は、優良な品種を安定的に生産供給するために、米、小麦、大豆などの種子を国が管理することを義務付けること。

この目的に沿って、各都道府県が地域に適していると認め、地域での復旧を目指す「奨励品種」を各地域の農業試験場や研究センターなどで栽培し、採取農家が増段したものが農家に配られるといった一連の流れが作られていました。

しかし種子法は2018年4月に種子法が廃止、その理由を「主要農作物種子法廃止の経緯と問題点 」から抜粋してみた点が下記。

「戦略物資である種子・種苗については、国は、国家戦略・知財戦略として、民間活力を最大限に活用した開発・供給体制を構築する。そうした体制整備に資するため、地方公共団体中心のシステムで、民間の品種開発意欲を阻害している主要農作物種子法は廃止する」

農家の自主性を高める 2018 年のコメの減反(生産調整)廃止をにらみ、コメの品種開発に民間の活力を呼び込む

種子については世界的にも戦略物資としての位置づけがなされているので、それを民間事業者によって生産供給が拡大していくように

種子その他の種苗については、民間事業者が行う技術開発や新品種の育成等を促進するとともに、独法の試験研究機関や都道府県が有する種苗の生産に関する知見の民間事業者への提供を促進するという規定を入れた

な気になるポイントに下線を引いてみたのですがキーワードは「民間事業者」ですね。

とにかく民間事業者を入れたくて仕方がない、という心根が露骨に表されて種子法廃止の理由に露骨に表されています。

つまり種子法を廃止することで、「農業競争力強化支援法」をより強力に補完することになるのです。

民間事業者が行う技術開発や新品種の育成を否定しているのではありませんが、民間事業者が求めるものはあくまでも利益。

そのために研究開発も短期的な結果を求めたものになりやすく、そのために開発に時間がかかるなどの理由から、利益にならない品種が消えていく可能性がある。

また特定の種子に至っては民間事業者の寡占状態となり、価格低下どころか高騰を招きかねないのが種子法の問題点ですね。

種苗法改正案

そして現在2020年5月、国会で審議されているのが種苗法改正案ですね。

この法律は育成者の許諾無しに種子の自家採取し増殖することを禁じる法律でその対象は、対象は八千品種余の国の登録品種。

元々の発端は、2017年に定められた「農業競争力強化支援法」という名前だけは農家のためになりそうな法律ですが、中身は「民間活力を活用云々」という規制緩和の流れに沿った法律。

この法律により、都道府県が持つ種苗の知見を多国籍企業を含む民間に開放するという流れができ、種子法によって各都道府県の種子保護義務を解体。

仕上げとして種苗法改正によって多国籍企業を含む民間が種子の育成販売権を握れるよう法改正を進めているのです。

言い換えれば国の規制を壊して、民間への利益誘導を行い結果的に民間事業者(多国籍企業)による規制が出来上がる仕組みを現政府は作り上げようとしているようですね。

まとめ

この記事では、

  1. 農業競争力強化支援法
  2. 種子法廃止
  3. 種苗法改正案

の問題点について書いてきました。

結局のところ、これらの法律が目指すところは、規制緩和による多国籍企業を含む民間事業者の参入とそれらによる市場の自主的統治の促進。

これを行うことで政府が持つ役割をより小さくできる、つまり現政権(第2次安倍政権)が目指している小さな政府を実現することができるのです。

安倍政権が小さな政府を目指している理由は、やはり自らが決定してしまったプライマリーバランスの黒字化、つまり緊縮財政に縛られているからにほかなりません。

緊縮財政に縛られることで、規制緩和が進み国際競争力という名の下の多国籍企業による自由貿易が促進される。

三橋貴明氏がグローバリズムのトリニティと呼ぶものですが、農業を破壊を進める法律の制定と、守ための法律の改廃によって、日本の食文化が大きく棄損されることを危惧する次第です。

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