グローバル化によって構築された、食料供給のサプライチェーンが新型コロナウイルスの影響によって次々に破壊され大きな影響が出始めています。
食べものは人間がいきていく上で欠かすことができない物。
そして、その食料の半分以上を外国からの輸入に頼っている日本にしてみれば、今回の新型コロナウイルスによって起きている食料問題は深刻に考えなけれないけないでしょう。
そこでこの記事では、
- 食料廃棄の問題
- 農業従事者不足
- 食習慣の変化?
ついて食料供給に関わっている観点から書いていきます。
参考記事↓↓↓

感染防止策によっておきた食料廃棄の問題
コロナ対策による自粛によって需要を見越してすでに生産されたものが必要無くなってしまった。
それによって起きたのが食料の大量廃棄です。
日本でも問題になっていますが、コロナウイルスの感染防止策によって学校の一斉休校、外出自粛等家以外の場所で食事をする機会が無くなってしまいました。
食料に限らず、経済はすべてがリンクして動いているものなので、いきなり消費者サイドの需要が無くなったといっても、生産者側からの供給を止めることはできないですよね。
そのために、生産者はすでに作ってしまっている分を廃棄せざるを得ない。
農業や酪農など、原材料を生産する現場では生産を止めることができないので、出荷できない分は全て廃棄するしかないのが現状です。
その結果どうなるか、食料が無駄に廃棄されるだけならまだしも、経営に行き詰まる生産者さんたちも当然出てくるわけです。
もしそんな多くの生産者さんたちが廃業してしまったら、コロナが収束した後に同量で同質の食品、原材料が必要になってもそれらが確保できる保証は全くないのです。
そこで必要なのが、事業者全体を対象にした粗利補償です。
つまり、新型コロナウイルスによって被った被害を政府に補償してもらうことで、感染症が収束するまでをしのぐ。
そして、収束後に今まで通りの経済活動を行うことができるようにするための、補助金と言ってもいいでしょう。
粗利補償は政府が判断すればすぐにでも行うことができるので、既存の供給能力を失わないためにも政府が実行するべきでしょう。
農業従事者不足
食品製造は、工場である程度自動化できるのですが農業の自動化は工場生産ほど進んでいないのが現状です。
そのために、EUでは収穫時期になると東ヨーロッパ等比較的低所得の国々からの季節労働者がやってきて農業に従事することで食料生産を支えています。
日本でも農業の労働力不足は深刻で、少子高齢化に伴って農業の高齢化、少人数化が進みました。
そのために、技能実習制度(奴隷制度?)によって比較的所得の低い東南アジア諸国から労働力をかき集め食料生産を成り立たせているのです。
しかし新型コロナの影響で、国境を越えた人々の移動はできなくなってしまいました。
ということは、食料生産に必要な労働力を確保できなくなってしまったということ。
つまり、これまでの需要を満たすための生産能力が無くなってしまうということになります。
食料の生産能力が激減すると起きるのはインフレですね。
インフレというと難しそうなイメージを受けるのですが、需要に対して供給が足りない状態を表しているだけなんですね。
つまり、
需要 > 供給
という状態。
この需要に対して供給が足りない状態、つまり需要と供給のギャップが2%程度であれば、適切なインフレと言われています。
しかし供給能力が足りずに需要とのギャップが2%を超えてしまうことで、消費者が「物が高くなったな」と感じるようになってしまう。
食料生産の現場に必要な労働力が無いということは、食料生産ができなくなるということ、つまり食料品の価格が大きく上がる(悪性インフレ)ことが予想されるのです。
そのような悪性のインフレを引き起こさないためにも、新型コロナ感染症対策下では既存の供給能力をそこなわないように努める。
さらに収束後には安い海外の労働力に頼ることなく、農業の機械化や季節労働者への補助金などを拠出することで、有事でも供給能力の保持ができるように努める義務が、政府にはあるのではないでしょうか。
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食習慣の変化?
新型コロナウイルスによって、食習慣も変化せざるをえません。
食生活においては、体にいい物や免疫力アップに役立つ食品の売り上げが伸びているのは確かですね。
日本では、蜂蜜や発酵食品などが免疫力の向上に効果が期待されるといわれることから、それらの売り上げが大きく伸びているのは事実ですね。
海外でも体にいいものを食べようという動きが広まっているようで、オルガニックをうたった食品や野菜等の需要が高まっているようです。
地域経済の活性化のために、地元の食材を購入するという動きも始まっています。
新型コロナウイルス感染症対策によって、結果的に地元の食料品生産者が経済的に苦境に立ってしまっているところからなるべく地元の食材を購入する形で地場産業に貢献することができますよね。
結局のところ、平時の場合は遠くで生産された食料品が食卓に届くことを待っていることができますが、非常時の場合はそうはいきません。
生きるためには、近くで確実に手に入れることができる食料品を求める動きが高まるのは当然のことと言えますね。
つまり健康にいい地場食材と、免疫力をアップさせる食材への需要増加が、大きく見込まれるのではないかと考えられます。
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まとめ
この記事では、
- 食料廃棄の問題
- 農業従事者不足
- 食習慣の変化?
ついて書いてきました。
結局のところ、既存の食料品供給システムは、あくまでも平時を想定したグローバリズムの産物であったのです。
しかし新型コロナウイルスの蔓延によって、個人個人、国と国の距離が遠くなってしまった世界では、全く通用しないシステムということが分かりました。
新型コロナ感染症は収束の兆しも見えてきていますが、おそらく人類が長く付き合っていかなければいけない疾病となるでしょう。
そうなったときに、対応できるシステムを作り上げることで今後起きるかもしれない食料危機を乗り越えることができるのではないでしょうか。
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