グローバリゼーションとコロナウイルス。今後の世界はどう変わるのか

経済
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グローバリゼーションによって過去30年間、世界の経済は大きく動いてきました。

しかし、新型コロナウイルスの感染拡大によって広がった世界は、再び小さく縮もうとしています。

そこで、新型コロナウイルスがグローバル化した世界経済にどのような影響を与えるのかを少し考えてみようと思います。

この記事では、

  1. 新型コロナウイルスによるグローバリゼーションへの影響
  2. 国内回帰
  3. 過度のグローバリゼーションから学ぶこと

について、海外から食料を輸入する仕事を行っている経験をもとに書いていきたいと思います。

新型コロナウイルスによるグローバリゼーションへの影響

新型コロナウイルスによるグローバリゼーションへの影響

新型コロナウイルスが蔓延することで、今まで私たちが普通だと思っていた世界が大きく変わってきています。

特にその変化は経済において顕著で、グローバル化によって繋がっていた世界が細かく個人レベルから分断される世界になってきています。

それによって経済的に大きな被害を被っているのが、製造業とサービス業ですね。

供給能力の棄損

グローバル化された世界において製造業のサプライチェーンは、世界中の網をかけるように広がっていました。

しかし、コロナウイルスによる被害を防ぐために各国が経済活動を止めてしまった結果、サプライチェーンが完全に分断されてしまったのです。

例えば車を例にとると、日本の自動車メーカーは中国で作った部品を輸入して日本で車を組みたて、アメリカに販売するという流通経路が成り立っていました。

しかし、コロナウイルスの蔓延を防ぐために経済活動自粛や外出禁止等を行うことによって、中国で部品が作れなくなり、日本の工場が閉まり、アメリカは車を買う余裕がないということになってしまったのです。

つまり供給体制が、完全に止まってしまったということなんですね。

さらに、ジャストインタイムシステムによって、各工場、販売店は必要なだけの在庫しか持ちません。

そのため、一つのサプライチェーンが止まれば、すぐに在庫が無くなるので、簡単に生産が止まってしまうのです。

インバウンドビジネスへの打撃

コロナウイルスで大きく影響を受けているのが、観光業、飲食、小売りなどですね。

特に、海外からの観光客を相手にしていた業界には、死活問題になるほどの影響が出ています。

疫病の蔓延を防ぐために、国境が閉ざされる。

つまり海外からの観光客は入ることができないし、海外に出ることもできない。

ましてや国内旅行さえもできないので、いわゆるインバウンドビジネスは悲惨な状況です。

国内回帰

国内回帰

コロナウイルスによってグローバルなサプライチェーンが壊滅した影響により、一部の企業に国内回帰または、リスク分散のための拠点移動の動きが出ています。

いわゆるグローバル化の波に乗ろうとして多くの企業が海外、特に人件費の安い国に進出。

特に中国へは、日本のみならず海外の多くの企業も進出していきました。

しかし、生産拠点が中国に偏り過ぎたため、今回のコロナショックのようなことが起こることでサプライチェーンが全てストップしてしまったのです。

海外の生産工場で作られたものを別の市場で販売する。

これ自体は、無いもない平時の場合であれば特に問題は無いのですが、コロナショックのような非常時の場合サプライチェーンの崩壊という現実に直面することになるのです。

そのために、生産拠点の海外依存、特に中国依存からの国内への回帰または生産拠点の分散をする企業が増えています。

政府もそれを後押しするようで、中国から生産拠点を国内または他国に移す補助金として2000億円を用意しているとのこと。

コロナウイルスの蔓延でマスクが店頭から消えてしまいましたが、生産の大半が中国製だと知っていた人は多くないでしょう。

世界のマスク生産の80%は中国ということですので、一中国のサプライチェーンが崩壊してしまえばマスクがてに入らなくなるのは当然ですよね。

そして中国は世界的なマスク不足という状況を逆手にとって、世界各国にマスクの輸出攻勢をかけているのです。

今回はマスクですが、これが食料や燃料の場合、文字どうり命が握られていることになるのです。

国に日本の場合は、食料自給率がカロリーベースで37%、燃料に至ってはほぼ100%輸入に頼っているということを忘れてはなりません。

過度のグローバリゼーションから学ぶこと

過度のグローバリゼーションから学ぶこと

グローバリゼーションを進めるにあたり、必要なことは「自由貿易」「規制緩和」そして「緊縮財政」です(グローバリズムのトリニティ)。

そしてこのグローバリズムのトリニティなくして、グローバリゼーションは成り立たないのです。

国境を低くし、人、物、金の移動を世界中どこへでも行うことができるのが自由貿易。

そして規制緩和は、国内の規制をなくし民間に委託することで政府の役割を小さくしていく。

そこに、財政破綻論という嘘を吹き込み緊縮財政を進めることで、本来国が提供するべき公共サービスを民間のレントシーカーに移譲していく。

これがグローバリゼーションの本質です。

グローバリゼーションの侵入経路

そしてグローバリゼーションは、緊縮財政を超え高に叫ぶことから入ってきます。

一見何の関係もないように見ますが、国家が破綻するという嘘のプロパガンダの下に、いわゆる「無駄」が削られ始めます。

そして民間企業に国の運営を売り渡すことで、無駄を省くという名目のもとに民間参入を妨げる規制緩和が行われる。

国内の規制が緩和されたところで、自由貿易という名のもとに多国籍企業が国内産業に介入、そして完璧なグローバリゼーションの完成となります。

グローバリゼーションの広がり方は日本だけの例ではなく、他の国でも同様の経路で行われます。

グローバリゼーションの拡大を止めるために

グローバリゼーションの必要以上の拡大を止めるために必要なことは、財政破綻のウソに騙されないことです。

日本やアメリカ、イギリスなと変動為替相場制の主権通貨がある国では、そもそも財政破綻はおきません。

そのため、今まで国営でまわっていたものを無駄だからと言って、無理やり民営化する必要はないのです。

特に今回の新型コロナウイルスで明らかになりましたが、平時の無駄は非常にとても有用性が高いもの。

いわゆる無駄と言われるものを削りまくることは、非常時に大きな障害をもたらします。

まずは財政破綻のという虚説を否定することから、行き過ぎたグローバリズムから脱却することができると思います。

まとめ

この記事では、

  1. 新型コロナウイルスによるグローバリゼーションへの影響
  2. 国内回帰
  3. 過度のグローバリゼーションから学ぶこと

について書いてきました。

新型コロナウイルスによって、グローバリゼーションが崩壊して行く様をリアルタイムで見ています。

平時を想定して築き上げられた世界的なサプライチェーンが一瞬にして崩れ去り、なすすべもなく世界的な恐慌までも始まっている。

各国は各国の責任において、国民を守るためにコロナウイルスと戦っているが、ここにグローバリゼーションはほぼ存在しなていない。

つまり結局のところ国際社会において、自分を守ってくれるのは自国の政府であり、いわゆるグローバルな世界は成立しないことが証明されたのでは無いでしょうか。

参考記事↓↓↓

Will coronavirus reverse globalisation?
Could Covid-19 permanently change how the global economy works?
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