国の借金が約1000兆円という具合に報じられますが、実際のところその内訳って何なんでしょうか?
そんなにたくさんの借金があったなら、とっくに財政破綻しているはずなんですが、いまだに財政破綻していないのはいったいなぜなのでしょうか?
そこでこの記事では、
- 国の借金は1000兆円の内訳
- 国の借金がそんなに増えて財政破綻しないのか
- 国の借金はどうやって返済する(プライマリーバランス)
について書いていきたいと思います。
国の借金は1000兆円の内訳
ニュースなどで報道されている国の借金と言われるものの内訳ですが、正確には日本国政府の借金ですね。
この日本国政府の借金、内訳はというと、
- 国債:約973兆9000億円
- 政府短期証券:約73兆3000億円
- 借入金:53兆2000億円
になっています。
国債とは何
国債とは、ものすごく簡単に言うと借用書です。
政府が国債という名の借用書を発行し、それを日本銀行が引き受けることで日本銀行に日銀当座預金というお金が何もないところからから創造されます。
これを信用創造というのですが、これは私たちも普通に行うことができます。
やり方は簡単で、金融機関に借用書を差し入れる、つまり借金をすることであなたの通帳にお金が記帳されます。
この時金融機関はお金をどこかから工面して口座に振り込むのではなく、通帳またはオンライン通帳に借りた金額を書くだけです。
これとおなじ事が政府と日本銀行との間で行われています。
国債は政府にとって資金調達のための手段でもありまして、「新窓版国債」以外は元本が保証されているので投資家にとっては安全に資金を運用するための投資先になっています。
償還期間も3年から10年と長く長期で安全に資金を運用するための投資先と言えるでしょう。
政府短期証券とは
政府短期証券とは、短期的な資金不足を補うために発行される短期国債で通常の償還期間は13週間と短い証券です。
そして政府短期証券は国債とは違い、入札資格を持つ金融機関、上場会社などの機関投資家、そして日本銀行など限られた金融機関しか購入することができない証券です。
ちなみに元本は確実に保証され、償還期間も13週間と短いので投資家ににとってはかなり安全性の高い証券です。
借入金とは
政府の借入金とは、通常の国債発行による資金調達ではなく、借用書や約束手形を金融機関などに差し入れて借りる資金を言います。
国債が発行できる政府が、借り入れを行う理由は一時的な資金繰りのためですね。
国債や政府短期証券でも資金繰りが間に合わない場合があるというのは意外でしたが、貸し倒れはなく利益が必ず出るので金融機関も貸しやすいでしょう。
国の借金がそんなに増えて財政破綻しないのか
国(政府)の借金が1000兆円と言われていますが、ここまで増えても財政破綻はあり得ません。
借金が増えても財政破綻があり得ない理由は、日本円で政府が借金をしているからです。
ここで抑えておきたいポイントは以下の三つ。
- 国債は借用者
- 信用創造
- 日本銀行は日本政府の子会社
国債は簡単に言うと借用書です。
政府が国債を発行することで財政政策に必要な資金を集める訳ですが、日本銀行が国債を引き受けることで政府が財政政策を行うための日銀当座預金が積み上がります。
この点が誤解されているのですが、日本銀行は国債を引き受けてから他の日銀から当座預金を集める必要はありません。
国債を引き受けると同時に、当座預金に残高を書き込むだけでお金が作られます。
これを「信用創造」というのですが、通常の銀行業務でも行われているごく普通のことなんですね。
もしあなたが100万円の借用書を銀行に持ち込んだとしましょう。
すると、その銀行は他の支店から100万円を集める訳ではなく、あなたの通帳に100万円と書き込むだけで、その100万円を使えるようになります。
政府の場合も同じく、国債を引き受けることで当座預金のに書かれる数字が積み上がるのです。
で、問題はこんなに政府が借用書を発行して借金を重ねてもいいのかということですが、はっきり言って問題は全くありません。
日本政府がお金を借りている先は、日本政府の子会社である日本銀行です。
会計では親会社と子会社で連結決算をすると、両者の赤字と黒字はプラスマイナスゼロになります。
つまり日本政府がいくら国債を発行して借金を積み重ねても、日銀との連結決算でその借金はないことになります。
借金が無いことになるということは、財政破綻することも無くなるということです。
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まとめ:国の借金を返済する必要はない
国(政府)の借金は返済する必要が全くありあません。
逆に返済するとどうなるかというと、日本円の通貨量が減ることで通貨の価値が上がりお金が回らなくなってしまいます。
つまりデフレという、現代日本が直面している状況です。
そして、もっと大きな問題があります。
それは「増えすぎた国の借金によって財政破綻してしまう」という嘘がはびこることで、国民が豊かになるための投資をしなくなってしまうことです。
国民が豊かになるための投資とは例えば、インフラ整備ですね。
近年大規模な自然災害が発生していますが、それを防ぐためのインフラ投資が削られてきた。
「無駄な公共投資を削れ」「税金の無駄遣い」という、政府や財務省が流すプロパガンダに乗った世間一般の誤解によって必要なインフラ整備が行われなかった結果、自然災害で亡くなる方々が毎年必ずいらっしゃいます。
このような状況を変えなければいけません。
自然災害の犠牲者を減らし、国民がもっと豊かになる社会を作ることは可能なのです。
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