一時期よくニュースで聞いていたマイナス金利。
以前は金融機関のマイナス金利でしたが、今は国債がマイナス金利でも取引されているということ。
どういうことなのでしょうか?
そこでこの記事では、
- 金融機関や国債のマイナス金利とは?
- マイナス金利の原因とは?
- 国の借金妄想とマイナス金利
について書いていきます。
マイナス金利って何?
マイナス金利と騒がれている物には、金融機関のマイナス金利と、国債のマイナス金利があります。
この二つのマイナス金利「ちょっと何言っているのか分からない(サンドイッチマン風に)」というのが正直なところですよね。
なるべく簡単に説明してみましょう。
金融機関のマイナス金利
日本の金融機関は、受け入れている預金等の一定比率(準備率:最大1.3%)以上の金額を、日本銀行に預けることを義務付けられていて、この制度を準備預金制度と言います。
しかし金融機関は任意で義務付けられている以上のお金を日銀に預けているんですね。
その理由はというと、約0.1%の金利が付くためなんです。
でもなんで金融機関は、義務以上のお金(超過準備預金と言います)を日銀に預けているのでしょうか?
それは単純に、こちらの方が利益が出るからです。
つまり資金需要のない一般市場に貸し出しても、低金利でしかも貸し倒れのリスクが高く、0.1%以上の利益を得ることは容易ではないと判断しているからなんですね。
そこでマイナス金利の登場
マイナス金利といっても、すべての超過準備預金にマイナス金利がかかるわけではありません。
まず、すでに預けてある超過準備預金に関してはマイナス金利の対象外。
そして、新しく預けられる超過準備預金に関してのみ3段階の金利を設けます。
まず、今までどうり金利0.1%、次にゼロ金利、そしてマイナス金利の3段階。
というだけの話。
これが、2016年頃から騒がれている金融機関の超過準備預金に対する日銀当座預金のマイナス金利政策。
日本国債のマイナス金利
しかし、2019年のマイナス金利は日本国債のマイナス金利が話題になっています。
つまり、日本政府が発効する日本国債を買うと確実に損をすることが分かっているのに、日本国債が買われるという面白い現象が起きているのです。
例えば100万円で金利が1%の10年物国債の場合、毎年1万円づつの金利が10年間支払われます。
普通利回りがマイナスのものは取引されないのですが、なぜ国債がマイナス利回りでも取引されるかというと、最終的に日本銀行が国債を買い取っているからなのです。
例えば、鈴木さんが10年物国債を100万円、年利1%で購入したとしましょう。
10年物国債の年利1%、元本100万円の場合毎年1万円利子を受け取ることができますね。
一年後1万円を受け取った後の国債価格は109万円になります。
そこに山口さん、そして後藤さんも鈴木さんがもっている国債が欲しいとやってきました。
山口さんと後藤さんが競り合った結果、山口さんに106万円で販売することになりました。
つまり10年後に109万円で売れるものを、106万円で販売することになるので、
3万円/9年=3,333円/年 と9年間の収入は毎年3,333円。
利回りは 3,333÷106万×100=0.314%
つまり最初の1%からぐっと減って0.314%となってしまいました。
これを様々な投資家が行っているので、利子はどんどん下がっていきますね。
マイナス金利の原因とは
超過準備預金に対するマイナス金利と、日本国債のマイナス利回りという問題の本質は緊縮財政に在ります。
では順番を追って説明していきましょう。
日銀マイナス金利の原因
超過準備預金によるマイナス金利の原因は、デフレによる投資意欲の減退によって金融機関から民間企業への融資が減ったことです。
金融機関から民間企業への融資が減ったことで運用先のない資金が金融機関に貯まることになる。
そこで、より利益が確実に出る超過準備預金として日銀に積立ていたのですが、その一部に対して日銀がマイナス金利適用することで、金融機関から民間への貸し付けを増やそうと試みた訳ですね。
しかしいくらマイナス金利にして金融機関の尻を叩き貸付を増やそうとしても、資金の需要が無ければ民間にお金を貸し出して利ザヤを取ることもできません。
そのため、マイナス金利の負担は結局金融機関にかぶせられ、金融機関による不正貸付などの犯罪にもつながっていったのです。
つまり、日本銀行による超過準備預金へのマイナス金利は、デフレによって金融機関から民間への貸し付け需要が無いために、日銀が各銀行のお尻を叩きにかかった結果なのです。
今必要な政策は、マイナス金利などによって金融機関に民間への融資を強要させることではなく、デフレを脱却させることで民間の資金需要を喚起することなのです。
しかしそれがなかなか、達成されない原因というのが日本国債のマイナス金利という現象に現れています。
量的緩和が国債需要上昇の原因
日銀の当座預金を増やすこと、つまりマネタリーベースを増やすこと(量的緩和)が、過去6-7年ぐらい続いていますが、そのためには国債が必要です。
日銀は国債を引き受けることで、マネタリーベースを増やすことができるため、量的緩和政策を行うためには市中の国債を集め日本銀行に引き受けさせる必要があるのです。
つまり最終的には日銀が国債を引き受ける量的緩和政策が続く限り、国債の需要は多く、利回りがマイナスになっても購入が続いているのです。
そこで、このマイナス金利を織り込むことによって初めから国債に将来の利子分を考えに入れ、通常よりも高い価格で投資家は日本国債を購入しているわけです。
では、どこに売れば利益が出るのかというと、日本銀行に国債を引き受けてもらうことで利益を手にすることができるのです。
国の借金妄想とマイナス金利
量的緩和の目的はデフレを脱却するためという名目で行われた、新自由主義経済学者(リフレ派)による社会実験と言ってもいいでしょう。
別の言葉で言えば、財政出動をせずにデフレを脱却できることを証明するために行われた、実験と言ってもいいです。
そして、結果から言えば量的緩和によるデフレ脱却は失敗に終わっています。
当然ですね。
失敗した理由は簡単に言うと、庶民にお金が回らなかったから。
デフレは貨幣現象という間違い
リフレ派、というよりも新自由主義派の経済学者はデフレは貨幣現象と考えています。
デフレというのは国民経済への供給過多、需要の不足を意味しますが、その状態で貨幣の価値は上昇します。
貨幣の価値が上昇するのでお金は使われなくなり、金融機関には預金が積みあがっていく。
その詰みあがった預金を運用しようとしてマイナス金利を食らったのが、超過準備預金だったんですね。
お金の価値が上がりすぎている、そこで「貨幣の供給量を増やせば、お金の価値が下がってデフレ脱却できるんじゃねーの」と考えたのが、リフレ派。
そこでリフレ派が取った経済政策が、マネタリーベースを増やすという政策。
つまり日銀が市中から国債を買い取り、日銀当座預金を積み上げるという政策、これが量的緩和です。
これによって、国債がマイナス利回りになっても購入されている。
デフレ脱却に必要な政府(国)の借金の拡大
ちなみに市中から国債をかき集めて日銀当座預金を積み上げても、デフレから脱却することはできません。
デフレとかは貨幣現象ではなく、供給過多、需要過少の経済状態。
そのためデフレから脱却するためには、需要を喚起させる必要があるのです。
具体的にどうするかというと、景気が悪い時に利益を気にせず投資を行える存在、つまり政府が公共事業を行うことで需要を喚起すれば民間にも需要が波及。
投資が活発になり銀行の資金需要が増え、マイナス金利問題も解消する。
公共投資を行うための、資金は政府が国債を発行することで賄うと、市中に出回る国債の数が増えるので国債のマイナス利回りも解消する。
ということになります。
国(政府)の借金は国民の資産
国債を発行すれば当然、国(政府)の借金は増えますが、同時に国民の借金が無くなり資産が増えます。
国(政府)の借金額とは実は国民の資産額を表していて、政府の借金が増えれば増えるほど国民の資産は増え続けます。
では、国の借金が大変だからと言って借金を返し始めてしまうとどうなるか、政府が黒字になる代わりに国民の資産は減り、貧しくなっていきます。
まとめ
この記事では、以下についtえ書いてきました。
- 金融機関や国債のマイナス金利ってどういうこと
- マイナス金利の原因とは
- 国の借金妄想とマイナス金利
結局、金融機関が直面しているマイナス金利も、国債のマイナス利回りもデフレが原因であり、脱却するには積極的な財政出動しか無いでしょう。
しかし、しかし日本の借金問題という大嘘を付いて緊縮財政が煽られることで財政出動が行われず、国民はここ20年間ずっと苦しい暮らしをしています。
それってどうなんでしょうか。
変える必要ないですか?
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